2015年映画ベスト10

1.ガールズ&パンツァー劇場版
2.ワイルド・スピード スカイミッション
3.炎628
4.ミッション:インポッシブル/ローグネイション
5.アントマン
6.SW フォースの覚醒
7.マッドマックス FR
8.キングスマン
9.海街diary
10.シグナル

 1位~3位はとても愛おしい作品でここは動かず。4位~はどれも好きな作品ですが変動するかも。

1位は個人的に良かった所を絞って感想書きました。

 

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2位はブログ始める前に観たんですが、泣きすぎて大変なことになりました。目の失禁です。

3位は旧作なんですが、一応劇場で観たので入れました。あまりに衝撃的な作品でもあったので。これはみなさんに観てほしい作品。疲れるけどね。

 

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4位~は特に感想書いてないですが、『ミッション・インポッシブル』は軽く書きました。

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 2015年凄い年でしたね。僕はガルパンにとどめ刺されて未だに引きずってます。

ミニシアター系の映画もたくさん観たかったんですけど、リピートしてみる映画が多くてなかなか時間が作れず。

来年はもう少し多く観たいですね。

 

3本立ての映画Go!プリンセスプリキュア を観てきた

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  プリキュアの映画を観てきました。先行上映、とプリキュアオールナイト内での上映だったので大きなおともだちに囲まれて観れたので安心しました。あとちゃんとライトも貰えました。

2回観て、自分の中で少し映画に対して整理出来たので感想書いてみます。

 

  • 初の3本立て

 今作はプリキュア映画初の短編、中編、長編の3本でストーリーが構成され、それぞれ、デフォルメされたキャラクターの3Dで描かれる短編、フル3Dで描かれる中編、メインである従来の方式で描かれた長編で分けられています。

プリキュアの映画って上映時間が短いんですよね。どのシリーズの映画も上映時間約70分です*1。しかし、今作は3本立てなのでそれぞれの上映時間が短編5分、中編20分、長編50分で分けられています。全体では75分といつもより長いですが、従来の長編は50分といつもより短いです。

この上映時間の短さは、作り手側の制約でもあり、「子供が観られる時間は70分が限界」という理由があり、これ以上には出来ないようです。なので、短い時間で、ストーリを進行させて、映画内のテーマを決めて完結させなければなりません。個人的にプリキュア映画の面白さの一つはこれですね。いかに短い時間で観客に伝えるかを毎回楽しみにしています。

 今作は3本とも独立したストーリーですが、映画全体のテーマの1つである「ハロウィン」に関してはどれも取り入れています。

最初に上映される短編『キュアフローラといたずらかがみ』では、デフォルメされたキュアフローラが3Dで描かれており、台詞が無く「音」と「動き」だけで表現されています。ディズニーやピクサーの映画の本編が始まる前に上映される短編を意識した作りになっており、動きと音で表現された演出が見事でした。

次は長編が上映されます。従来の方式で描かれていますが、今回は50分と短いです。

そのせいか、「もう少し尺が欲しかった」「今までの映画に比べて地味だった」等といった大友達からの感想を目にする。実際、僕も1回観た時、長編に対して少し物足りなさを感じた。しかし2回観みると、短い時間でテーマをよりシンプルにして、さらに細かい演出の上手さを感じることが出来、これは長編の監督を担当した座古明史さんだから出来る事なのではないかと思います。

座古さんは、初代からプリキュアシリーズの演出を担当してきた人であり、スイート~ハピネスチャージまでのシリーズは関わってはいないですが、今作シリーズの方でも久しぶりにお目にする事が出来ました。

プリキュアシリーズを支えてきた重要な人物であるこらこそ出来る物語をよりシンプルにした「省略」と「プリキュアらしいテーマ」を物語内で上手く描かれていました。コンテについてはあまり詳しくないが、計算された演出で、物語内で、とある人物が、静かな雰囲気なのに、感情を変化させるシーンがお見事。そこに至るまで、主人公のはるかが言う台詞にも物語のテーマの一つを凝縮させたように感じます。

作画は見事ですね。これはどのシリーズも素晴らしいです。しかも今回の映画では香川久さんが作画監督で参加しており、座古さんとコンビを組んでいた『フレッシュプリキュア!』を思い出しますね。

 最後に上映される中編『プリキュアとレフィのワンダーナイト!』では 宮本浩史さんの見事としか言いようがない3Dのキャラクターデザインと世界観でプリキュア達が大暴れしてくれます。これが一番良かったと言う人もいるぐらい、いつもとは違う物を見せてくれています。

日々進化しているプリキュアのEDの3Dが、20分動いてくれる夢のよな時間ですので必見です。

 

  •  「プリンセス」と「テーマ」を考えてみる

 今回は3本共に「ハロウィン」がテーマになっているのはわかるが、各作品事のテーマは何だろうか考えてみました。

まず、共通して言えるのが、タイトルにもなっている「プリンセス」が1つのテーマになっている事だと思います。

短編はプリンセスプリキュアであるはるかを中心で、彼女のちょっとした変化を描いていた。

長編では、物語の舞台「パンプキン王国」に登場する囚われの王女「パンプルル姫」が、絶対に諦めない強い思いを持ち、ピンチになったプリキュアを助ける役割を果たしていた。

中編の舞台である「パンプキングダム」のプリンセス「レフィ」が、自分の国を取り戻すべく、プリキュアと一緒に敵に立ち向かってゆく姿が描かれていた。

いずれも「プリンセス」が登場し、プリンセスプリキュアのテーマでもある「強く、優しく、美しく」の強さが描かれていたように見えます。

「プリンセス」と聞くと、階級があり我々とどうしても壁があるように思えてしまうが、「プリキュア」の中に落とし込む事で、身近な存在になり子供たちが憧れる存在になれるんではないかと思います。その辺は監督の座古さんやプロデューサーさんも物語を作る時に意識したとおっしゃっています。

なので、TVシリーズの「プリンセス」という要素を映画にも組み込んでいてとても上手いと思いました。

それから長編のもう一つのテーマとして「家族」があります。よりシンプルになったためか、メッセージとしてとてもわかりやすく描かれていました。

「家族」、特に父と母の存在はプリキュアの背景には欠かせないもので、近年それを意識した作りが多くなった気がします。今後も父と母については気になる所。

 

  • より体験型を意識して 

恒例となったペンライトを振ってプリキュアを応援する、一種の体験型に近い映画でもあるプリキュア映画ですが、過去作を観てどれも「ペンライトを振る機会が少ない」と感じていました。しかし、今作は3本立てのためか、ライトを振る機会が増えていたように思います。1本目の短編では動きに合わせて、長編はいつも通り最後に振るだけでしたが、中編はライトを振る展開ともう一つ「ライトが劇中の重要なアイテム」になっているのが印象的でした。

70分と短い中で難しい課題かもしれませんが、長編でもももっとライトを振る展開が多くなれば、小さなお友達も楽しめるんじゃないかなぁと思います。

 

 まとめ

プリキュアの映画は毎年実験的な部分も観られ、今作も3本立てという実験的な作りで非常に興味深く観る事が出来た。もちろん、プリキュアの映画としてもしっかりと面白いです。

今後はどうなるかわかりませんが、今回の映画はプリキュア映画の新境地って感じがして凄くワクワクしました。

前作*2はかなり踏み込んだ作りで、ターゲットがギリギリ子ども向けな感じがして凄くドキドキしたんですが、今作は良いバランスだと思います。

そういえば、小さなお友達に混ざってまだ観てないので、この体験もしてみたい…

 

 

 

*1:ふたりはプリキュアSplash Starの映画は50分。

*2:ウテナ感あったんですがそれを考えると長くなる

『炎628』 観ずに死ねるか!傑作絶望シネマ88にて。

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 8月2日『炎628』を観てきた。高橋ヨシキさん、田野辺尚人さんのトークショー付。

テアトル新宿で、8月1日~7日の間に行われたイベント内で上映した映画である。他にも『ソナチネ』や『オールド・ボーイ』等の傑作映画12本が上映されていた。

 その中で一際目立ち、「傑作絶望シネマ」メインヴィジュアルになっているのが『炎628』の主人公の顔。

「傑作絶望シネマ」は書籍にもなっており、この顔が表紙にも使われている。

 そんな『炎628』だが、これがまたとんでもない映画だった。

観てから数日、夢でこの映画が出てきたり、起きてる時もずっとこの映画のシーンが脳内で再生されていたりと、そんな衝撃的で、心に残る、「頭をハンマーで叩かれたような衝撃」が同時に襲ってきたのだ。

・あらすじ

 1943年、ドイツ軍の占領下であった白ロシアで、1人の少年が家族と離れパルチザンに参加するが、若すぎるため戦闘に参加させてもらえず置いていかれてしまう。

そんな中、少年は一人の少女と出合う。互いに心を通わせるも、空爆にの被害に遭う。

なんとか2人は生き延び、少年の家に帰るが、そこには見るも無残な光景が広がっていた。そして、少年はその後まさに「生き地獄」を経験する…

 本作の特徴は、兵士として戦う描写一切ない。少年が次々と遭遇する地獄のような光景が次々に襲ってくる。観ているこちらも、その場にいるかのような雰囲気にを味わえる。

この「その場にいるかのような雰囲気」を一層際立てているのが音の使い方。

劇中ほとんどと言っていいくらいのノイズ音、やリンチ映画の不協和音、ラジオの音が永遠と鳴り響き耳元からも入ってくる情報も不安を煽る。

また、モンド映画のような登場人物のアップが多いのも特徴的だ。

 物語は後半になるに連れ地獄のような描写が多くなる。

中でも、村の教会に子供から老人まで押し込み、火炎放射で焼き尽くす場面が凄まじい。まず窓から火炎瓶を投げつけ、火炎放射器で焼き尽くす。その後ナチが銃で教会を撃ちまくる…「たのむからこれ以上は止めてくれ…」と次々と人間とは思えない行動をする。しかも彼ら、それを見て笑っているのが恐ろしい。

主人公は、「1人だけ外に出してやる」という理由でなんとか外に出られるも、その焼き尽くされる教会と人々を見させられる。

ちなみに火炎放射器は、直接人に当てると火力が強すぎて当たった瞬間身体がバラバラになるそうだ。そのような場面は直接映らないが、教会から聞こえる悲鳴が生々しい。

最後に後少年はナチに銃口を突き付けられ…一緒に記念写真を撮られる。その時の顔が上の画像だ。もはや「少年」とは思えない顔だ。

 その後何日か経過し、やりたい放題やったナチが降伏してロシア人に人質になる。

もちろん全員殺されるが、死に際に放った言葉が

「子供から全てが始まる。生かしてはおけない。貴様らもみんな死ね。貴様らの民族に未来はない。共産主義は下等人種に宿る。絶滅させるべきだ。必ず遂行する必ず遂行する!」

である。何とも言えない気持ちになった。ただこの言葉が胸に刺さった。

ヨシキさんも仰っていたが、「差別等も、相手が人間じゃないと思った時に起こる事。そういう事はいつでも起こりうる。」

という、まさにこの大虐殺にも言える事じゃないだろうか。下手したら我々もこうなりうるのかもしれない。

 物語の最後に、主人公の少年がヒトラーの肖像画を銃弾で撃つ。それと同時に実際の

ベルリン陥落からヒトラーの赤ん坊の頃の写真までの映像が巻き戻しで映される。

「子供から全てが始まる」という言葉がここで思い出した。

そして少年はパルチザンに加わり、彼らが森の中を歩いてゆくシーンで映画が終わる。

 タイトルにある「628」とは「ベラルーシ村だけで焼き払われた村の数である」というテロップがエンドロール前に出てくる。(実際にはもっと多いとのこと)。

原題は『ИДИ И СМОТРИ』英題は『come and see』「来て見よ」という聖書『黙示録』の6節7~8行から取られた言葉である。映画の「この地獄のような光景を見ろ」って事ですかね。

 とにかく強烈な映画であり、早速DVDを買った。特にこの8月という時期にこの映画を観る事が出来て本当に良かった。

 余談だが

 との事。主役の子は催眠術にかかたふりをして撮影に挑んだそうです。

撮影現場も過酷で、実弾を実際に使っている。少年の肩をかすめるシーンがあるのだが恐ろしい…。*1 

*1:ちなみにその主役の子は今でも元気に俳優活動を続けているそうです。

今月中に観ておきたい映画のメモ

・『ゼロの未来』

・『シグナル』

・『龍三と七人の子分たち』

・『チャッピー』

・『ラン・オールナイト』

・『メイズ・ランナー』

・『シンデレラ』

・『ブラックハット』

 この量は今月中には流石に無理か…

とりあえず、公開が終わりそうな映画から順に観ていこうかな。