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『ナイトクローラー』 レンズが映すもの その瞳が観るもの

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1月22日鑑賞

昨年公開された映画ですが、見逃していて、再上映していたので観て来ました。

評判通りといいますか、それ以上の傑作でした。これ昨年観ていたら確実にベストに入ってましたね。

 舞台はロサンザルス。主人公ルイス・ブルームは職を探している中、偶然自動車事後の現場を撮影するカメラマンを目撃。その姿に触発さたルイスはカメラを手に取り次々と事故現場の映像を撮りTV局に売りつける。次第に刺激的な映像を求め、彼の行動はエスカレートしてゆく。

 

 物語はルイスの「サクセスストーリー」ですが、観ていて決して気持のよくなる話ではありません。いわゆる「感情移入出来ない主人公」ですが、物語は決して主人公に感情移入出来なくとも面白いと思うんですよね。それが今回の映画が良い例だと思いました。

しかも、この主人公は最初から最後まで人間的な「成長」はしません。というより、人間的にも倫理的にもおかしいです。「サイコパス」なんて言葉が当てはまるのでしょうが。しかし、そんな行き過ぎた行動を見続けていると、なんだか不快感を通り越いて逆に気持ち良くなってきます。それがこの映画の魅力的な所ですかね。

 ルイスを演じたジェイク・ギレンホールは、元々特徴的な「目」していましたが、役作りのために減量してさらに「目」が特徴的に。ほとんど瞬きしせずに、ギョロッとした目が夜のロサンゼルスに輝いていました。

また、彼は昼間は常にサングラスをしていて、目が晒しているのは夜間または室内のみ。ここが凄く特徴的でした。レンズを通して彼が観て感じている事が非常に気になりますね。カメラで事故現場を撮っている姿も、レンズを通してその目で観ていますね。

感じている事、なんて書きましたが彼の思考はまったくわかりませんでした。何を考えているがわからなくて非常に怖いです。自分の部屋にも必要最低限の物しか置いていません。観葉植物に水をやる習慣ぐらいしか特徴的な行動はしません。後は、夜の街で自分の仕事をやるのみ。熱心に、必死に、そして自分の行動に自信を持って。

 刺激的な映像を求めるルイスですが、これってTVを観ていたり、ネットをしている我々にも当てはまる事なんじゃないでしょうか。

今じゃネット中で「刺激的な映像」が次々アップされている時代ですよね。それを見て何を思うか。インターネットでSNSなどで情報を見ていると、感覚が麻痺してきいるんじゃないかと思います。僕もそうなのかもしれません。しかも一つの「コンテンツ」の消費が今は物凄く速く感じます。一つ、また一つとどんどん消費され新しいコンテンツが生まれている。良いのか悪いのかわかりませんが…

まぁそんな事も考えちゃうよな映画でしたが、純粋に「クズ野郎の行き過ぎた行動に釘づけになる」とても素晴らしい映画でした。