『文豪ストレイドックス』朝霧カフカ×綾辻行人×京極夏彦先生のトークショーに行ってきた。

 2月3日、『文豪ストレイドックス外伝 綾辻行人VS京極夏彦』の発売を記念したトークショーに行ってきました。

「京極さんに綾辻さんまでが参加するトークショーなんてめったに観られない…」と思って乗りと勢い、あと文豪って作品がとても気になっているのでそのお話が作者から聞けたらいいなーなんて思って。

 トークショーの流れとかは他で記事になってるのでそっち見てもらった方が早いですね。

私はトークショーで気になったポイントだけまとめてみますね。

natalie.mu

1.朝霧カフカ先生によるキャラクターについての発言

 今回の外伝小説のキャラクター設定は3行ぐらい書いて、その後春河先生に見せたら1発でビジュアル決まった。それからイメージを膨らませていった。他のキャラ(おそらく本編)もそう。

本編でも、お話よりもキャラクターを先に設定している。どうやらキャラクター重視で仕事しているようです。如何にキャラクターは活き活きとして描けるか、もっと言えば出て1ページでそのキャラクターを覚えてもらえるかを意識していると強調。

ちなみにアニメスタッフからも、春河先生のキャラクターは好評。

2.今回の外伝小説について

綾辻先生京極先生からは好評。綾辻先生は、クソみたいな作品だったら和やかに話していませんとおっしゃり心臓に悪かったです。

京極先生は、辻村さんのキャラクターを褒めていました。彼女のキャラクターを作った事で作品が上手く出来上がっているとの事。

朝霧カフカ先生のお気に入りのシーン:冒頭、滝シーン。ネタバレを避けるが、シャーロックVSモリアーティを意識して描いた自身のあるシーンとの事です(ここで自らハードルを上げる)

他、トークショーで面白かった話。

綾辻「しかしよく面識もなくこんだけ描けたなぁ」

カフカ「最初、担当の方からお会いするかどうか聞かれたんですけど、どういう方なのか聞いてやっぱりイメージで決めました。綾辻さんだったドSにしようとか」

京極「手心が加えられますからねぇ」

京極 「でも、今回の小説の本キャラが僕らでよかったよね。他のご存命作家だったらどうなってた事やら。」

綾辻 「名前は出しませんが、まぁ色々いますね(笑)   辻村さんは、女性読者が少し嫉妬するんじゃないかって言ってましたね。自分が高校生だったらこの辻村深月のキャラクターに殺意を抱いていたかもて言ってたよ。」 

 

〜質問コーナー〜

質問1 もし異能が使えたら

カフカ 「異能が使えるだけで満足です!」

綾辻「寝ている間に原稿が出来ている」

京極「クマムシのようになりたい。とりあえず生きていて中々しなない。でも死ぬときは苦しまずに。」

質問2:この作家をキャラ化したら面白そうって人。お知り合いで。

綾辻「虫太郎で『黒死館*1』って思ったけど知り合いかぁ…迂闊な事言えないけどS田S司とか…(笑)」

京極「平山夢明 異能は恫喝と適当

質問3:小説の続編はありますか? 

カフカ「皆さんの反応次第ですね。でもこの流れだとほとんど決まってるようですね…」

ここで会場から大拍手

カフカ「ありがとうございます!!!」

 

 ・告知

カフカ「夏頃に小説4巻を出します。後は皆さん既にご存知だと思いますが、4月からアニメが開始します。シナリオにも参加していますのでよろしくお願いします!

 

・まとめ(各作家からの近況も含め)

カフカ「元々サラリーマンだったんですけど、『何か描きたい』という思いがずっとありまして。思い切って会社を辞め、何の当てもなかった所を角川さんに拾っていただき、デビュー作がこのような人気が出て光栄です」

綾辻「これがデビュー作かぁ これから頑張ってね。」

この辺は綾辻さんの宣伝。

京極さんも同じくカフカ先生を応援してから宣伝。その後カフカ先生のお話で〆

 こんな感じですかね。カフカ先生は「今年は文豪イヤーにしたい」という〆に、不安と期待を感じてしまいましたが。

外伝小説のトークショーなので、アニメの話、原作の話は少な目でした。カフカ先生がちょっと触れたキャラクターの設定についてもっと掘り下げて聞いてみたかったですね。

カフカ先生の狙いは間違ってはいないと思いますが、個人的にもうひと押し欲しい所。何よりキャラよりストーリーの弱さが気になります。お話あってのキャラクター、キャラクターあってのお話だと思いますので、文豪は圧倒的にお話が弱い。滅多な事がない限り「キャラで押し切る」のは不可能だと思うんですよね。だからキャラクターも何だか薄く見えてしまう…

ただし、8巻9巻は悪くなかった(感覚が麻痺してきているからかもしれないが)。お話も整理され、キャラの見せ方も良くなっている。アニメ化決まったからなのか、脚本会議で榎戸さんから何か刺激をもらったからなのか…とにかくカフカ先生はかなり「若い」からどんどん吸収して伸びていってほしいです。これは春河先生の絵にも言える事かも。 

*1:黒死館殺人事件ですかね?