この薄汚れた世界で 『LOGAN/ローガン』

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 強烈な死の臭いがする。ローガンは冒頭から最後まで死の臭いが漂う。

アメコミ映画を観ているのか、X-MENシリーズを観ているのか分からなくなるような始まりだった。

物語冒頭、ローガンの車を壊そうとするチンピラに反抗するローガンの姿から始まる。

その姿は、足をふらつかせ身体がヨロヨロとして、すでに死期が近いように思えるほど衰弱している。

彼はローガンでそしてウルヴァリンである。しかし、その衰え方は見るに耐えない。チンピラに「車だけはやめてくれ」と言い、放たれた銃弾を自身が受ける。そして、力を振り絞ってチンピラを殺す。

そこには今まで観てきたような、ウルヴァリンのヒーローとしてのかっこよさなどは無い。だたそこで殺しが行われたという事実が残った。

 2029年、ミュータントはほとんど絶滅し、生き残ったローガンはプロフェッサーXを介護しながら生活している。ローガンはリムジンの運転手として働きなんとか生計を立てている。

世界は変わってしまった。すでにミュータントの問題など過去の出来事になっていた。

人類はミュータントをどうしたのか、明確に描かれていない。しかし、背景をちらつく悲惨な出来事、そして世界から漂う死の香り。この薄汚れた、乾ききった世界に、衰えたローガンとプロフェッサーは取り残されている。

そんな彼らと、ミュータントとして作られた少女ローラを組織が追ってくる。

組織は今までの敵(ヴィラン)に比べるととても小さい。しかし、それはどこよりもドス黒い吐き気を催す邪悪である。

 ローガン、プロフェッサー、ローラと血と暴力の旅の果てには終わりがあった。

その終わりは、どこか世界の終焉を観ているようで非常に辛かった。ローガンの物語は終わってしまったが、ローラはこれから歩み始める。彼女が歩き出す物語。そして、生き残ったミュータントである子供たちはカナダへと歩んでいった。

 正直、観終わって予想以上にダメージをくらってしまい、シリーズのファンとしてはかなり辛い映画だった。

ただし、ローガンであるウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマンには心からの感謝とお疲れ様でしたという気持ちでいっぱいである。

17年間、僕のヒーローを演じてくれてありがとう。これからも心の中で永遠のヒーローであり続けます。